幸せな暮らしにつながる北欧のシンプルな考え方と整理収納テクニック

「理想の暮らし」という言葉を聞いて思い浮かべるのは、どんなことですか?

「快適に過ごせること」「心が満たされていること」「家族が笑顔でいられること」・・・人によってさまざまな答えが出てくるでしょう。

それらの根底にあるのは「幸せな暮らし」なのではないでしょうか?

2020年の「世界幸福度ランキング」で日本が62位だったことに対し、フィンランドは3年連続1位を獲得しています。

またその他の北欧諸国も上位を独占する結果となっています。

このランキングは国民自身が感じる満足度がベースとなっており、北欧の暮らしや考え方には幸せな暮らしを実現するためのヒントがありそうです。

本記事では「北欧式整理収納プランナー」の資格をもつ筆者が、日本でも真似できる北欧の暮らしや考え方、心の豊かさにもつながる整理収納術についてご紹介します。

心地よい暮らしを提案する北欧式整理収納プランナー

『北欧式整理収納プランナー』という資格をご存じでしょうか。

私は現在この資格を保有しています。

しかしインターネットで「整理収納」に関する情報を検索するまで、存在すら知りませんでした。

『北欧式整理収納』とは部屋をキレイに整えるだけではなく、見た目の美しさも重視した収納方法です。

北欧で暮らす人々の暮らしや考え方を取り入れているところが、大きな特徴といえます。

私には小さな年の娘がいます。

おもちゃで遊んでも元の場所に戻さず床に置きっぱなしだったり、「あれどこ」とモノの場所を頻繁に聞かれたりして、子供にイライラしてしまうことが度々ありました。

「もっとゆったりとした気持ちで毎日を送りたい」と思った私は、図書館で収納関連の本を借りて改善策を探しました。

そんな中、思い付いたのが「収納に関する資格の取得」です。

本や雑誌を読んで独学するよりも専門的かつ有効な知識が身に付きそうですし、本業であるWEBライターの仕事にも活かせるのではないかと考えたのです。

収納関連の資格といえば「整理収納アドバイザー」だと思った私は、資格に関する情報をネットで検索しました。

その中で知ったのが「北欧式整理収納プランナー」の存在です。

もともと北欧雑貨・インテリアが好きだった私は「これしかない」と確信し、迷うことなく勉強をスタートし、資格を取得に至りました。

北欧式整理収納の知識が身に付いて変わったのは、自分や家族を見つめる機会が増えたことです。

「どうすれば自分や家族にとって快適な空間になるか」を考えるのが習慣になりました。

そして何より「整理収納は部屋を整えるだけではなく、豊かな心や暮らしにもつながる」ということが大きな発見です。

家の中における北欧の暮らしや考え方

冬が長いため家で過ごす時間を大切にしている北欧の人々は、家具やインテリアデザインを用いて心地よく暮らせるよう工夫しています。

今あるモノで空間を飾って楽しんだり、取り入れるアイテムはシンプルなデザインを選び長く愛用したりと、家族とのコミュニケーションを大切にしたりと、北欧の暮らしぶりや考え方には心地よく暮らすためのヒントが満載です。

この章では、気候や社会制度が異なる日本に暮らしていても真似できる「北欧の暮らしや考え方」をご紹介します。

暮らしを楽しむ

北欧に住む人々は暮らしを楽しむのが上手です。

冬の寒さが厳しく、家の中で過ごす時間が長いことが大きく影響しています。

日本に住んでいる私たちが「暮らしを楽しむ」という言葉を聞くと、土鍋でご飯を炊いたり家庭菜園をしたりといったイメージをもつ人もいるのではないでしょうか。

けれど何も特別なことをする必要はありません。

今あるモノや何気ないことに意識を向けて、幸せを感じることが大切なのです。

例えば、部屋に花を取り入れたいとき「散らかっている部屋は飾るのにふさわしくない」「花瓶がないから買わなくては」と自らハードルを上げてしまうことはありませんか?

北欧の人々は花瓶や容器にこだわりません。

自身が「いいな」と感じれば手持ちの食器や空き瓶、ペットボトルなど今あるモノを使って代用します。

北欧では寄せ植えをするとき鉢の代わりにムール貝や牡蠣の貝殻、白樺の木などを利用することも。

「どうすれば素敵に見えるかな」と考える時間は楽しいですし、今あるモノを使えば自然とオリジナリティーを出すことができます。

窓を開けて外の空気に触れ「気持ち良いな」と感じるだけでも心は満たされます。

「暮らしを楽しむ」ことは特別ではなく、日常の中の幸せに気付ける心のゆとりが大切なのです。

モノを長い間大切に使う

北欧ではモノを大切に使う傾向があります。

周囲の反応や流行で選ぶのではなく、自分が本当にいいと思ったモノを基準にしていることと関係しているようです。

その考え方は時間が経っても色あせない品質や、シンプルで美しい北欧デザインにも表れているといえるでしょう。

壊れてしまっても丁寧にメンテナンスをしたり、別のアイテムに作り替えたりして再び命を吹き込みます。

たとえ不要になったとしても、簡単に処分することはありません。

リサイクルショップである「セカンドハンドショップ」などへ持って行ったり、子供や孫に受け継いだりして、次に使ってくれる人へモノを循環させるのです。

簡単に新しいモノを購入するのではなく時間をかけて選んだ「お気に入り」を生活の中で使うことは、心の豊かさにもつながるでしょう。

家族との時間を大切にする

北欧に住む人々は、家族との時間を大切にしています。

幸せな家庭をつくるためには、家族全員の協力が欠かせません。

北欧では家事や育児、仕事において男女平等です。

例えば、子供の送り迎えは仕事の都合を夫婦で話し合い、その時々で担当が変わります。

また男女共に育児休暇を取得できるのも大きな特徴です。

北欧とは社会制度が大きく異なる日本ですが、以前はこたつに入ってミカンを食べるなど団欒の機会は十分にありました。

しかし現代では、リビングに家族が集まっているときも各自スマホやゲームを楽しんだり、テレビを見ながら食事をしたりと一緒にいても会話をする機会が減りました。

一方北欧の家庭では食事中はテレビをつけず、何気ない会話を楽しむのが定番です。

「今日はこんなことがあったよ」と子供が話しだせば、じっくりと耳を傾けます。

社会の仕組みや家庭での習慣を全て変えるのは難しいでしょう。

けれど、たまにはテレビを消して何気ない会話を楽しんだり、子供と一緒にいるときはなるべくスマホを触らないようにしたりするなど、小さな工夫ならできるはずです。

家族との会話を楽しみながら時間を共有すれば、自分では思い付かない素敵なアイディアが見つかるかもしれません。

北欧に学ぶ収納テクニック

北欧で暮らす人々は今持っているモノを活かして、心の豊かさに結びつけています。

日常の中で幸せを感じるために特別なことをしたり、頑張ったりする必要はありません。

北欧の「構えすぎない」考え方は整理収納にも共通しています。

「より心地よく暮らすためにはどうしたらいいか」に意識を向けて、片付けを楽しんでみることが大切です。

この章では、暮らしを楽しむ北欧の考え方を軸にした「心の豊かさにつながる収納テクニック」をご紹介します。

整理収納の基本

具体的な収納のテクニックをご説明する前に、まずは整理収納の基本をおさらいしましょう。

「部屋をキレイにしよう」と思うと先に収納アイテムを購入したくなるかもしれませんが、ケースやボックスを使ってキレイに整えるのは最終段階です。

まずは「自分にとって必要かどうか」「気に入っているかどうか」を基準に、持ち物の選別からおこないましょう。

整理収納の基本の3つのステップをおさえれば、新しく収納グッズを用意しなくても空間が整います。

step1

まず片付けたい引き出しや棚の中身を全て出し、空の状態にします。

何をどのくらい持っているのかを確認しましょう。

つぎに一つずつ、いるモノといらないモノに分けていきます。

使用頻度が低くても自身で気に入っているアイテムは無理に手放さなくても構いません。

「自分が手元に残したいかどうか」「自分が好きかどうか」を軸に考えることがポイントです。

step2

step2で残すと決めたアイテムを使用頻度で分けていきましょう。

毎日使うモノなのか週一回、年一回なのかでは適した保管場所が変わってきます。

使用頻度を考えることは、step3の保管場所の決定にもつながります。

選別する際に「何年も使っていなくて存在すら忘れていた」というモノがあれば、処分を検討しましょう。

step3

使用頻度別にモノを分けたら、よく使う場所に収納していきます。

使いたいときに少ない歩数で、サッと手に取れるところにしまうのが理想的です。

そうすることで「片付けるのが面倒で置きっぱなし」という状況も防げます。

またゴミ箱やティッシュなどは、いくつか用意して部屋ごとに置いておいてもいいでしょう。

わざわざ別の場所に取りに行く必要がなく便利です。

「小さなストレスを減らすためには、どうすればいいか」を意識しながら適した保管場所を考えてみてくださいね。

空間にゆとりを意識する

整理収納の基本に沿って仕分けた持ち物を、使いやすい場所におさめるときのポイントは「空間にゆとりを意識すること」です。

引き出しやクローゼットなどスペースいっぱいに詰め込むと、取り出しに手間が掛かり使うこと自体が億劫になってしまう場合もあります。

収納場所に対して、しまうモノの量は8割が目安です。

今の自分に必要なモノを必要な分だけ、おさめるよう心がけましょう。

モノを移動させずに、片手でスッと取り出せるくらいの余白が理想です。

例えばクローゼットの場合、一時置き場を設けておくと便利です。

数回着てから洗濯するボトムスやパジャマ用のカゴを用意しておけば、脱いだまま床やベッドに放置という状況を防げます。

押入れも「まだ入るから」とモノを詰め込むのではなく、自由に使える空間をあけて置くと気持ちに余裕が生まれます。

押し入れの中に作ったフリースペースで洗濯物を畳んで、そのまま衣装ケースに収納したり、アイロンをかけたりすれば家事がスムーズに進められます。

適度な空間がある収納なら、時間や心にもゆとりが生まれますよ。

よく使うモノは見せて収納する

普段よく使うアイテムはインテリアとしての役割も兼ねて、見せる収納にしてみてはいかがでしょうか?

引き出しを開ける手間がなくワンアクションですむので取り出しはもちろん、元に戻すのもスムーズです。

例えば掃除グッズや普段使いのバッグ、帽子などは部屋の壁にフックを取り付け、吊るして収納すると使いたいときにすぐ手に取れます。

調理中にサッと確認したい料理のレシピはキッチンの収納棚の下にワイヤーを取り付け、木製のピンチで挟むと見栄えも良いですよ。

また、かさ張りがちなスリッパは玄関にバスケットを用意してザックリ入れておくだけでインテリアショップのディスプレイのような雰囲気が出せます。

カラフルなパッケージが多い洗剤類は出しっぱなしでも気にならないデザインを選ぶと、家事のモチベーションも上がります。

海外のインテリア雑誌を思わせる英字のシンプルなボトルは、インテリアに合わせやすいのでおすすめです。

「使い慣れた洗剤があり、違うメーカーに変えるのは億劫」という場合は、別でボトルを用意し詰め替えるとスッキリします。

使いたいときにすぐ手に取ることができ、心も弾むような見栄えの良い収納を意識しましょう。

生活感がでやすいモノは目隠しする

日用品などは「目隠し収納」がおすすめです。

使いやすい場所に収納したいけれど洗剤や掃除用具など、そのまま置くと生活感が出てしまうモノもありますよね。

バスケットに収納する場合は上から布をかけて隠したり、収納ケースはふた付きのタイプを選んだりと少しの工夫でスッキリさせられます。

フタのないカゴやボックスを使って収納する場合、そのままだと上から中のモノが見えて雑多な印象になってしまうこともあるでしょう。

気に入ったテキスタイルなどの布をカゴにかければ、インテリアにも馴染みます。

また生活感が出やすいアイテムの目隠しとして、照明を使うのも一つの方法です。

お気に入りの雑貨を飾っている場所に光を当て、ゴチャゴチャして見えるモノは照らさないようにすると部屋全体がスッキリ見えます。

収納グッズを効果的に使う

種類豊富な収納グッズは、それぞれのアイテムの特徴を押さえて効果的に使いましょう。

例えば同じプラスチックのボックスでも、蓋が付いているタイプと無いタイプがあります。

使用頻度が高かったり、子供が使うアイテムを収納したりする場合は蓋がないモノがおすすめ。

ワンアクションで取り出せて便利です。

普段あまり使わないグッズや、そのまま置いていると生活感が出やすい食品ストックなどには蓋付きのプラスチックボックスが適しています。

上にも重ねられますし、ホコリもよけられます。

収納アイテムはメーカーやデザインなど何から何まで同じする必要はありません。

持ち手が付いていたりボックス型だったりとデザインがバラバラでも、カゴやプラスチック、ステンレスなど素材を統一すれば美しく仕上がります。

また収納アイテムの色を揃えることもスッキリ見せるポイントです。

スタイリッシュに仕上げたいときはモノトーンで統一しましょう。

特にホワイトの収納アイテムは空間が広く見える効果も期待できるので、ぜひ取り入れてみてください。

オープンシェルフといった目に入る場所にはカゴを使って見た目を重視したり、湿気やすい洗面所では通気性に優れたワイヤーバスケットを使ったりするなど、

シーンに合わせて収納アイテムを使い分けられると良い

ですね。

お気に入りはディスプレイして楽しむ

眺めているだけで心が弾むようなお気に入りのアイテムは、ぜひ飾って楽しんでみてはいかがでしょうか?

目に入るたびに幸せな気分になり、家で過ごす時間がより楽しくなるはずです。

靴箱や棚、テレビボードなど手持ちの家具の一部をディスプレイ専用にしたり、飾り棚を取り付けたりと方法は色々あります。

設置するときのポイントは、視線の集まる場所を意識すること。

部屋の入り口に立ったとき無意識に目に入る、対角線上が最適です。

ファブリックパネルやキャンドルホルダー、オブジェ、観葉植物、写真などお気に入りのアイテムを飾って楽しんでくださいね。

今あるモノをもっと素敵に見せたいなら、ディスプレイのコツを3つ押さえておきましょう。

まずシェルフや棚の上には飾りたいモノだけ並べます。

「あとで片付けるから大丈夫」といって、郵便物や買ってきたモノをとりあえず置かないようにしてください。

また、いくらお気に入りだからといって飾りすぎには気を付けましょう。

それぞれのアイテムを引き立たせるためには適度な空間が必要です。

つぎに雑貨や小物を配置するときは、三角形を意識するとバランスよく見えます。

例えば直角三角形の場合、左右どちらかの端に一番高さのあるアイテムを置きましょう。

そちらを基準に反対側へ徐々に低くなるよう並べていくのです。

直角三角形以外にも二等辺三角形や正三角形、左右対称、高さを揃える、幅を揃えるといった構図もまとまって見えます。

そして絵や写真を配置するときは、ラインを意識すると海外のインテリア雑誌のようにセンス良く仕上がります。

壁に対してまっすぐ貼ることはもちろん、配置にちょっとしたコツがあります。

一番手軽な方法は同じ大きさのフレームやパネルを3つ、等間隔で並べることです。

空間にリズムが生まれインテリアのポイントになります。

どうやって配置しようか、考える必要がないのも嬉しいですね。

大きさや形が異なるアイテムを複数飾る場合は、四角い枠をイメージしましょう。

思い浮かべた四角の辺に端が揃うように配置すると、まとまって見えます。

はじめにマスキングテープを使って壁に枠を作っておけば、簡単にまっすぐ貼ることができます。

ディスプレイは新しいアイテムを購入しなくても、配置を変えるだけで違った雰囲気が楽しめます。

その日の気分で気軽にアレンジしてみてくださいね。

家族が協力しやすい仕組みをつくる

整理収納する上で重要なポイントは「使ったあと定位置に戻せるかどうか」です。

自分が使いやすい場所と、家族が使いやすい場所は異なる場合もあります。

「脱いだ靴下が床に置きっぱなし」といった場合には何か理由があります。

ぜひ本人に意見を聞いてみましょう。

自分では想像していなかったような答えが返ってくることもあるかもしれません。

そこに改善するためのヒントが隠れているはずです。

収納方法が決まったら持ち物全てに定位置を決めて、ラベルを付けましょう。

ひと目で何がどこにあるか分かれば、探しモノをする手間やストレスが軽減したり、家族も片付けやすくなったりします。

一番手軽なラベル付けの方法は、マスキングテープに油性ペンで手書きすることです。

色やデザインが豊富なので、インテリアのテイストにあったモノを選びましょう。

黒のマスキングテープに白いインクのボールペンで書くとオシャレに見えておすすめです。

頻繁に使うのであればラベルライターを購入してもいいですね。

手書きより整った文字に仕上がりますし、フォントやテープの種類も選べます。

中には「ピータッチキューブ」などスマートフォンでデザインを作成し、印刷できるアイテムもあります。

おもちゃを入れる収納ボックスにラベリングする場合は、子供に絵や文字を書いてもらいましょう。

自分で片付ける意欲につながります。

ライフスタイルに合った方法でラベル付けをおこなってみてください。

家は自分一人だけの空間ではありません。

家族の行動のクセや特徴を観察したり話し合ったりしながら、片付けやすい仕組みをつくっていきましょう。

幸せな暮らしにつながる北欧式整理収納

整理収納は部屋をキレイに片付けるといった、表面的なことだけではありません。

「もっと家で過ごす時間を快適にするためにはどうしたらいいか」を考えることは「より幸せに暮らすにはどうしたらいいか」を追求することにもつながります。

北欧と日本とでは気候や社会制度に大きな違いがあるものの、人々の心の根底には「幸せな暮らしを願う気持ち」があります。

「こうあるべきだ」「こうしなくてはならない」とあまり難しく考えすぎず、自身や家族が心地よく過ごせる方法を楽しみながら探していくことが大切です。

試行錯誤を繰り返しながら空間を整えていくうちに心にゆとりが生まれ、今まで気付かなかった小さな幸せを感じられるようになるでしょう。

北欧の考え方を軸にした整理収納を通して「私にとっての幸せ」を見つめてみてはいかがでしょうか?